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執筆者の写真ohata motoko

フレーバーリリースを考えてみた。

更新日:2019年8月3日

先日、北里大学獣医学部動物資源科学科教授の有原圭三先生のHPを見ていたら、江崎グリコから出している常温で飲める(乳幼児用)液体ミルクである「アイクレオ赤ちゃんミルク」の記事がありました。

アイクレオ、粉ミルクでも実はとっても高価なので我が家では使っていないのですが、この常温で飲める液体ミルクは購入しており、非常用リュックに入れてあります。


発売当初の数ヶ月前、このアイクレオの液体ミルクを子供に飲ませる機会があり、そのまま哺乳瓶に出して飲ませてみました。(母親的には非常に楽ちん!)

しかし我が家の子供は飲みませんでした。

なんでかなぁと思いながら、もしかしてフレーバーリリースかな?と気付き、先程飲んでくれなかった液体ミルクの入った哺乳瓶を湯煎(ラボだと、ウォーターバスを使うのですが・・・)にかけ、40℃くらいの飲み頃の温度にしてから子供に飲ませてみました。そうしたらゴクゴク飲むではありませんか。


まぁ、子供に「やっぱりフレーバーリリースだった?」とか聞いたところで回答はないし、そもそも研究ではないので完全にわたしの私見と体験談になってしまうのですが、常温で飲めるタイプの液体ミルクはフレーバーリリースの面で、もしかしたら飲まない赤ちゃんがいるのではないかな、と思ったのです。


さて、食べ物を食べるときや飲み物を飲むとき、食べたり飲んだりする前に鼻先で匂いを感じることをオルトナーサルオルファクション(orthonasal olfaction)といい、それらに関わる匂い成分をオルトナーサルアロマ(orthonasal aroma)といいます。食べたり飲んだりしている最中に口中で発せられた匂い成分をレトロナーサルアロマ(retronasal aroma)といいますが、それらが喉越しから呼気に乗って鼻腔に流入し、匂い感じることをレトロナーサルオルファクションといいます。このレトロナーサルアロマの立ち方や広がり方のことをフレーバーリリースといいます。


フレーバーリリースには本当に様々な因子が関係しているのですが、例えば、その食品が固形か液体かでも異なりますし、粘度も関係します。また温度やpHも重要な因子です。


常温で飲めるタイプの液体ミルクは「常温で飲める」ことが魅力なのですが、基本的には温度が高いほうがフレーバーリリースされやすいので、常温(というと約25℃を指します)よりは飲み頃の40℃くらいのほうがアイクレオのレトロナーサルアロマがよく立ち、よく広がり、(我が家の)子供が飲みたいな飲み続けたいなと思ったのだと思います。我慢して飲みたくないものを飲むということは基本幼い子供はしませんからね・・・。

(と言いつつ、単にお好みの温度かどうかが大事だっただけかもしれません)


ところで、有原圭三先生のHPにもあるように、日本で発売されている常温で飲めるタイプの液体ミルクはもう一つあって、明治の「ほほえみらくらくミルク」です。我が家の子供は「ほほえみ」の粉ミルクを飲んでいるので、同じメーカーの液体ミルクだとどうなのか、気になるところです。機会を見つけてちょっと調べてみようと思います。

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